第19章 相見える2人のオルニス
「なんだその汚ぇ紙」
「9年前、師匠と私はある島でシルバークロウの情報を買いたい海賊がいると言われたの。その島に向かい、師匠はその海賊に殺され…私はたまたま島にいたクレインに止められて師匠を目の前で殺されたのを見た。これは師匠の最後のお客の名前と島の名前よ」
リオは紙を開き、内容をスパローに見せる。
「なっ…!!嘘だろ…!あいつを殺したのが…」
「私は師匠の仇を取りに来たの。今私の仲間が会ってるはずよ、ルヴトー海賊団のアッシュに…」
「なんでその情報を出さなかった…!!そしたら俺が…!!」
「出せないわよ…だって…師匠の仇だけは自分の手でやりたかった…から…」
リオがそう言うのと同時に右腕を覆っていたブラッドアーマーが解け、大量の血液となって地面に染み渡る。
傷の痛みに加え、大量出血に伴うふらつき、めまいがリオを襲う。
「くっ…時間、切れ…でもやらなきゃ…!」
自分にはまだやらないといけない事がある。
右腕から血が流れるリオは左手で傷口を押さえながら町へと歩いて行く。
「待て、1つ聞きてぇ事がある」
「聞きたい事…?」
ブラッドアーマーが解けた事でスパローにかけた能力も解けたのかスパローは立ち上がるとリオの後ろに立つ。
「情報は…なんだと思う」
それは昔、自分が師匠に聞いた言葉。
それに対して師匠は笑ってこう言った。
「『……情報や知識は自分を守る盾にもなり矛にもなる。そして情報を人に紡ぐのが情報屋よ…』」
リオのその言葉にスパローは笑う。
「提案がある、聞け…シルバークロウ」