第19章 相見える2人のオルニス
丁度二人の決着がついたのと同時くらい。
「9年前、お前は1人の情報屋を殺した…間違いないか?」
ローの言葉にアッシュは思い出したかのように笑う。
「あの女か。シルバークロウとか言ったか…この俺が情報を買おうとしてぼったくりやがったアホな女だ」
「……お前に用があるのはこいつだ」
ローはポケットから折り畳んだ一枚の手配書を出し、開くとアッシュに見せる。
それはリオの手配書。
リオは本名を明かしていない為、世間ではシルバークロウで認知されている。
「シルバークロウ…だと?」
「こいつはお前が殺したシルバークロウの意思を継いだ弟子、俺の仲間だ」
「なるほど…だが今その子がいないという事は…スパローが潰したいと言ったのはそいつだな…あいつはシルバークロウを殺した海賊を憎んでいたからな」
「てめぇ…!」
ローが手配書を捨て鬼哭を抜こうとした時、酒場のドアが開けられる。
入ってきたのはスパローで右にはスパローに抱えられ、身動きしないリオがいた。
「リオ!」
「帰ったか…潰せたのか?」
「あぁ…弱かったぜ」
スパローは歩いて行き、ロー達の左側を抜けアッシュの元に向かう。
(ロー、手ぇ出さないでね)
すれ違う瞬間、ローの耳に小さく聞こえたリオの声。
ローはアッシュの前に立ったスパローを見る。
「じゃあ次はトラファルガーの首を…」
アッシュがそう言った瞬間、アッシュの腹部に赤黒い物が突き刺さった。