第3章 お支払いという名の航海
夜、暗い海の上。
海王類なども寝静まっている時間帯。
コンコン
ローは船長室で医学書を読んでおり、部屋に響くノック音にドアの方を見る。
「入れ」
その一言で入ってきたのはお盆を持ったリオ。
「……何の用だ」
「夜ごはんよ。部屋に籠っているって聞いたから持ってきたの」
そう言って机にお盆を置く。
お盆の上にはおにぎりと野菜が多く入った味噌汁とコーヒーが置かれていた。
「一応、他の人に嫌いなもの聞いたから食べれるはずよ」
「お前が作ったのか」
「あんな食生活続けたら身体壊すわよ」
リオはそう言うとじゃあねと一言告げて船長室から出て行った。
ローは皿に乗ったおにぎりを手に取ると一口かじる。
「……美味ぇ」
程よい塩加減に中の具は鮭。
あっという間に食べると味噌汁を手に持ち、食べ始める。
おにぎり、味噌汁全て自分好みの味に
(料理上手いのか…)
と思うローであった。