第18章 銀色のカラスを待つ紅き雀
その夜、リオは甲板に座り夜の海を見ていた。
考え事をしたいと思い、見張り担当のシャチにローに許可をもらったと嘘をついて見張りを変わったのだ。
「冷静でいられるかなぁ…」
ポツリとそう呟くと頭の上に掛布を掛けられる。
「ぅわっ…!?な、何…」
掛布を取って落ちてきた方を見るとローがリオを見下していた。
「リオ、見張り交代の許可を出した覚えはないが?」
「ちっ、もうバレたか…」
「はぁ…何かあったか?」
ローはリオの隣に座りそう尋ねる。
「……今日、ある出来事があってクレインと電話したの。そこで次の島について話された…クレインが私から聞いた現在位置とベポの予想航路が当たっていれば次の島はリージェット島っていう場所。海賊が支配する島よ」
リオはそう言うとポケットからあの紙を取り出し、ローに差し出す。
そこには“リージェット島、ルヴトー海賊団”の文字があった。
「9年前にこの海賊団がシルバークロウの情報を買いたいってどこかの情報屋から渡されたの」
「9年前…?」
9年前であれば彼女は13歳でシルバークロウではないはず。
しかしローはすぐにある事に気づきリオを見る。