第18章 銀色のカラスを待つ紅き雀
そしてクローゼット奥にしまっていた箱を取り出す。
「久しぶりね…この箱…」
少し古びた小ぶりの木箱。それを開けると中には小型ナイフやネックレスなどの装飾品と数枚の紙が入っていた。
ローと行動を共にするまではリュックの下に入れて持ち歩いていた物。
9年前に海賊に殺された師匠が身に着けていた装飾品。
それをリオはずっと持ち歩き、保管していたのだ。
ハートの海賊団の船に乗ってからはこのクローゼットの中に置いてあった。
その中にある4つ折りになっている一枚の紙を取り出し、開く。
そこにはある海賊の名前と島の名前が記載されていた。
「師匠、これも弟子の役目なんですね…」
この紙を受け取った師匠は自分とこの島に向かい、命を落とした。自分にとっては因縁の場所。
ずっと、師匠の仇を取りたいと願っていた。
その紙をポケットに入れたリオは箱の蓋をしめて再度クローゼット奥にしまう。
そしてクローゼットをしめると物置を出ていった。