第18章 銀色のカラスを待つ紅き雀
リオはスワローがいなくなった後、ベポがいる航海室へ向かった。
「ベポ」
「ん?あ、リオ!ここに来るの珍しいね!」
リオが入ったことでニコニコしているベポ。
「忙しいのにごめんね、次の島ってあと何日?」
「えっと…俺の予想ではあと4日位で着くかなぁ…」
「そう…わかった。ありがとう」
リオはベポに礼を言うと航海室を出て船長室に向かう。
船長室に入ると部屋の主は不在でホッと胸をなでおろすとそのまま物置に入る。
そして子電伝虫を取り出し、とある人物の番号にかける。
『ぷるぷるぷるぷる…ガチャ』
『……どうしたリオ』
「クレイン…久しぶり。ちょっと聞きたい事があって」
電話の主はクレイン。
新世界の事を聞くのであれば四皇専門の情報屋として新世界の島々を渡り歩いている彼ほど適任者はいない。
「さっきスワローが来たの。その時、私に会いたがってい
る人がいるって言ったの。今公開している大体の場所を言うからその先にある島を教えて」
リオはクレインの返事を待たず、現在地の大体の場所をクレインに伝える。
『ふむ…そこにいるのか…俺の予想が合っていれば次の島はお前にとっては辛い場所だ』
「……もしかしてあの島?」
『そうだ。あと、これは不明確な情報だが…スパローはある海賊団が支配する島を拠点しているらしい。念のため頭に入れて置け』
「……わかった。次会った時にお金と美味しいお酒でも奢るわ」
『わかった。じゃあな』
子電伝虫の通話を切ったリオはクローゼットに向かい、扉を開ける。