第18章 銀色のカラスを待つ紅き雀
「この先。君に会いたがっている人がいる。頑張ってね」
「それどういう…」
「これ以上は言えないよ。じゃあね」
スワローはそれだけ言うと柵から飛び降りる。
リオが柵の下を見ると大きな鳥の上に乗ったスワローがいてこちらに手を振りながら空へと飛んで行った。
「……よいのですか?」
スワローは自分が乗っている鷹の姿をした人物の言葉にフッと笑った。
彼が乗っているのは悪魔の実の能力で鷹の姿になっている自分の弟子である。
「それはあの島で待ってるあいつの事?」
「はい。私から見ても彼は危険です…」
「良いも何も僕には関係ない話だよ」
リオが向かっている先の島にいる存在。
懸賞金がかけられ、紅い鳥と言われている凶暴な男。
先代のシルバークロウが死んだと聞いた時、彼の近くにいたが取り乱し方が尋常ではなかった。まぁ彼の事情を考えれば普通だろう。
他のオルニスとも距離を取っている彼が唯一心を許していたのが先代のシルバークロウ。
だからこそ2代目である彼女の存在が気に食わないのだ。
でもあの2人がどうなろうと自分には関係ない。
「相変わらず素敵な性格ですね、師匠」
「褒め言葉ありがとう。ほらとっとと海軍に情報売りに行くよ」
スワローの言葉に弟子は了解というと海軍本部に向けて飛んで行った。