第17章 初めてのデート
「薔薇の花の数にも意味があるんだよ。いつか調べてみて」
「俺への宿題か…わかった」
ローはそう言うと一度リオを離してベッドから起き上がり、リオを再度後ろから抱きしめる。
「ここのログは明日で貯まるらしい。今日は2人で籠るぞ」
「アイアイ」
リオはそう言うとローの頬にキスをし、ローの腕を解いて立ち上がる。
「じゃあ昨日買ったマグカップに美味しいコーヒー淹れてくるからちょっと待ってて」
リオが離れた事で不満げな表情をしているローの額にキスをすると一度物置に入り、オーバーサイズのTシャツに短パンを履き戻ってくる。
リオが着替えている間にローもジーンズを履きベッドサイドに座りながらあくびをしている。
リオは2つのマグカップをそれぞれ箱から出すと船長室を出てキッチンに向かう。
その間もクルー達の声が聞こえないので自分達以外がいないのは本当のようだ。
食堂に着きキッチンに入ったリオはマグカップを置き、それぞれの好みの濃さで淹れ始める。
ローは少し濃い目のブラック。
リオは砂糖なしミルク多めのカフェオレ。
コーヒーを淹れているとローが食堂に入ってくる。
黒いシャツを羽織っているが前は止めていない。
「あれ、こっち来たんだ。朝ごはん食べる?」
「今はコーヒーだけでいい」
ローはそう言うといつも座る席に座り、丁度コーヒーを淹れ終わったリオもコーヒーが入ったマグカップを持ち、黒いマグカップをローの前に置く。
「いつも思うが俺の好みの濃さをよく覚えている」
コーヒーを一口飲んだローがリオにそう言う。
「コーヒーの濃さもだけど好き嫌いや味の好みまで全員分覚えているよ?一応ここのコックみたいなものだし」
リオもマグカップにあるカフェオレを飲みながらそう話す。
「あ、今日はここで2年間あった事お話しようよ。忙しくてこうやってのんびり会話出来なかったしさ」
「そうだな、じゃあリオから話せ」
「はいはい。私は―…」