第16章 恋慕と葛藤
「……よく寝た」
んーっと身体を伸ばし立ち上がる。
しばらくするとローが船内から帰ってきてリオの隣に立つ。
「麦わら屋達に礼は言った。帰るぞ」
「は…うわっ!」
ローがリオを横抱きにし、能力でポーラタング号の船長室へ移動する。
そして横抱きしていたリオをベッドに座らせる。
「リオ、返事は決まったか?」
「あ…う、うん…でもその前に…私が思っている事とか話しても良い?」
「あぁ」
ローがリオの隣に座るとリオはローの方を見る。
「まず私は情報屋で…世界一とも呼ばれてるし自分の責任の大きさもわかる。そんな私が恋愛をしてもいいのか…あと一介のクルーが船長と付き合っていいのかとか…その、色々不安な事があって…」
リオはナミとロビンに言われた通り、頭で考えないで自分が思っている事を全てストレートにローに伝えた。
全て聞き終わった後、ローがため息をつく。
「お前賢いのに意外と馬鹿だな」
「ば…っ!?仕方ないでしょ!色々考えて…!」
「そんなの必要ねぇ」
ローはそう言うとリオの肩を押し、自分はその上に馬乗りになり押し倒している体勢になる。その体勢にリオは顔を赤くする。
「お前が不安な事は全部俺が受け止めてやる」
「あ…」
「で、お前は俺が好きか嫌いか…どっちだ?」
昨日ナミとの会話を思い出し、思わずクスリと笑ってしまう。
「……何がおかしい」
笑ったリオに少し不服そうな顔をするロー。
「……いや、昨日ナミ達にも同じこと言われたの。ローなら全部受け止めてくれるって。好きなの嫌いなのって…」
リオはそう言うと優しく微笑む。
「好きよロー。貴方が好き」
その言葉を聞き、ローは笑うとリオを抱きしめる。
「俺もだ。お前は俺の物だ」
「うん」
二人はベッドの上で抱きしめ合う。
リオはローの温もりに包まれ、これ以上ない幸福感を感じていた。