第16章 恋慕と葛藤
朝食と15時のおやつを食べたリオは芝生が敷かれた甲板に横になっていた。
「こんな何もしない一日も…たまにはいいなぁ…」
普段は仕込みをしたり情報収集や読書をしたりとなんだかんだ一日動き回っている。
そのため甲板に座っていても横になるまでのんびり過ごすことが無いのだ。
「ふぁ…」
お腹いっぱいになったのとポカポカさす陽射しに思わずあくびが漏れてしまう。
「リオ」
リオは声がした方を見るとローが傍に立ち、リオを見下ろしていた。
「ロー…昨日振り…」
「眠そうだな、風邪を引く」
ローはそう言うと能力を使って掛布を自分の手に移動させると横になっているリオにかけ、自分は隣に座る。
「……」
(たまには甘える事!)
ナミに言われた事を思い出し、少し考えるとローの膝に頭を乗せる。
「っ…どうした?」
「んー…甘えてみた」
リオの言葉にそうかとローは言い、リオの頭を撫でる。
頭を撫でる大きな手に思わずすり寄り、リオはそのまま目を閉じる。
(戻ったら返事しなきゃ…でも今はこのまま…)
そう考えていたがローに膝枕してもらったままリオは眠りについた。
ローは自分の膝枕で眠ったリオの頭を撫で続ける。
長かった髪を肩につかないぐらい短くなった銀色の髪。
太陽の光でキラキラ輝いていて、彼女の故郷にあった鉱石を思い出す。