第16章 恋慕と葛藤
「ねぇ、ローはどこで料理覚えたの?」
「ガキの頃…コラさんと旅をしていた時は俺が作っていた」
「コラさん…?あ、ドンキホーテ海賊の最高幹部の一人だっけ?」
「あぁ。コラさんは…」
ローはジャガイモの皮を剥きながら自分の過去について話した。
コラソンだけではなく、自分の故郷についても。
リオは皮を剥きながら黙ってローの話を聞く。
「…まぁこんな感じだな」
「そう…教えてくれてありがとう」
話し終えたと同時にジャガイモの皮を剥きが終わったのでリオはジャガイモが入っている籠をキッチンへ持っていく。
そして少しするとローのマグカップを持って戻り、ローの前にマグカップを置く。
「まだ仕事があるのか?」
「うん。あと色変わんないようにするだけ」
リオはそう言うとキッチンに戻り作業を始める。
その様子を見ながらローはコーヒーを一口飲む。
自分が一番好んでいる濃さの淹れてあるコーヒー。
リオは毎回この濃さで淹れてくれる。
ローはマグカップをテーブルに置いて中にあるコーヒーを見る。
しばらくそうしているとリオもマグカップを持ってローの向かいの席に座る。
「ロー?」
「……リオ、お前…」
「ん?」
リオはマグカップの中にあるカフェオレを一口すする。
「俺の女になれ」
「……ん?!」
リオは思わずカフェオレが気管に入りそうになったのを防ぎ、口の中にあるものを飲みこみマグカップを机に置く。