第16章 恋慕と葛藤
「海賊か…誰に喧嘩売ったか思い知らせるぞ」
「……ロー、ここは私にやらせて。修業の成果見せたい」
ニコリと微笑むリオにローは少し考えたが了承する。
リオはそれを見ると持っていた新聞をシャチに渡し、船首に向かって走っていく。
そして船首から飛び降りると水力を利用して敵船の船へと向かっていく。
その間も砲撃があるが自然系能力者であるリオには効かない。
そして敵船の船に到着したリオは甲板に降り立つ。
「懸賞金2億3000万ベリーのシルバークロウだ!」
「女だからって容赦するな!」
「ギャーギャーうるさいわね…魚人空手…槍波!」
手から大きめの水を出すと海賊船の甲板に向かって叩きつける。
すると槍波を放った場所に大きな穴が開き、バリバリと音を立てながら亀裂が広がる。
「くそ!船が…!!」
船が損傷したことでパニックになる海賊達。
「ポイス…」
リオは手のひらから大きめな水の玉を出すと太い棒状に変化させる。
「アクアランチャー」
その棒から隙を与えないスピードでまるで銃弾のように水をぶつけていく。
能力で水の強度は弱めているが細かい水を数えきれないほど浴びている為海賊達にも船にもそこそこのダメージを与えている。
「ふぅ…じゃあ最後ね」
リオはそう言うと船から飛び降り、ポーラタンク号へと向かっていく。
そしてポーラタンク号の真上に着いた瞬間、敵船の方を見て手のひらに大きい水の玉を浮かばせる。
「魚人空手奥義…武頼貫!」
リオが手のひらの水を放った瞬間、衝撃波と共に目の前にいた海賊船は消え去った。
海賊船が消えたのを確認し、リオはそのままポーラタンク号の甲板へと降り立つ。
「よし、OK!」
リオが満足気にそう言うとローが近づいてくる。