第16章 恋慕と葛藤
ローもしばらく本を読んでいたが、ふと疑問に思っていた事を聞こうと口を開く。
「リオ、お前2年間どこの海賊に世話になっていた」
「ん?あ、そういえば言ってなかったね…四皇の赤髪のとこ」
予想していなかった名前にローも何も言えず、リオはそのまま話を続ける。
「頂上戦争後に赤髪に頼み込んだの。師匠の伝手があったからとりあえず船に乗せてもらったらクレインがいて…そのまま船に乗せてもらってクレインとか赤髪海賊団のクルーに修業つけてもらったの」
「……お前も濃い2年だったんだな」
「まぁね」
リオはそう返答すると読書を再開し、それを見たローも目の前の本を読み始めた。
シャインアイランドを出て数日。
海上を航海するハートの海賊団一行は海軍や海賊の襲撃もなく、平和な一日を過ごしていた。
自分の仕事を終えたリオも甲板で新聞を読んでいた。
ちなみに潜水している時間が長いこの海賊団にとって甲板で過ごせる時間は貴重である。
潜水している間、新聞が読めないリオも同じでこの時間は至福の時間なのだ。
「んー…面白そうな情報無いなぁ…」
小さな記事も細かくチェックするがめぼしい記事は無いのかため息をつく。
新聞を半分ほど確認したところでドンッと砲撃音が鳴り、ポーラタンク号近くに砲弾が落ちる。
「敵襲か!?」
「っと…どっかの海賊ね…」
砲弾が飛んできた方向を見るとジョリーロジャーを掲げた船がこちらに近づいてくる。