第15章 訪れた島の平穏と母の面影
翌日。
二日酔いで潰れている者以外は王宮へと向かい、王達が貯めこんでいた財宝の整理をしていた。
「俺達から搾り取ってこんなの買っていたのか…」
「こっちは金で出来てるぞ」
貧しい生活を強いられていた島民は出てくる財宝にため息まじりでそう呟いたりしている。
「とりあえず持っていけるものは隣の島に行く時に換金して、ほしいものはみんなで話し合ってください」
「それならリオ様達にもいくつか持って行ってもらおう!」
男の提案にそうだそうだと賛同し、どれを渡すか吟味し始める。
自分はいらないと言おうとしたが、楽しそうに選んでくれる島民にそんなこと言えず遠慮なくもらうことにした。
リオがそこから離れ、とある部屋に入るとそこには大きなベッドがあり、主寝室であることがうかがえる。
(父親の部屋か…何かあるかな…)
リオは部屋を見渡していると部屋の奥、ベッドに隠れるようにして壁に埋め込み式の金庫がある事に気づいた。
「お、何か入っているかな…」
リオは金庫に近づくと金庫に耳を当て、ダイヤル式のカギに触れる。
それを慎重にカチリカチリとゆっくり動かし、解除の音を逃さないように耳をすます。
何回か左右に動かしていると中からガチャっと音がし、金庫が開かれる。
「よし…」
リオは金庫から耳を離し、金庫の扉を開ける。
中を覗くと小さな箱が中に入っており、それを取り出すとその箱は控えめな装飾が施されていたがキラキラ輝いていた。
リオがそれを開けようとした時
「おい、勝手にいなくなるな」
部屋にローが入って来たのかリオに声を掛けながら歩いてくる。
「ごめん、金庫見つけて…」
リオは箱を持ったまま立ち上がり、ローの元へ歩いて行く。