第15章 訪れた島の平穏と母の面影
「金庫?それが入っていたのか?」
「うん、今開けるね…」
リオが箱の蓋を開けると中に入っていたのは一枚の封筒とシンプルな指輪と赤い宝石がついたネックレスのみ。
「これだけ?」
「金庫に入っていた割には重要には見えないな」
ローは中に会った封筒を取り出し、中を見る。
中に会ったのは数枚の写真。
ローが写真を取り出し、数枚あるそれを全て見るとフッと笑う。
「お前には重要なやつだ」
「私に?」
「こいつを見てみろ」
ローは自分が見た写真をリオに差し出し、リオは受け取ると写真を見る。
そこには若き日の父親と優しく微笑む自分に似ている女性の姿。
そのまま数枚ある写真を見ると全て父とその女性が写り、最後にその女性が小さな赤子を抱いて微笑む写真があった。
「お前は母親似だな」
「母さん…こんな顔だったんだ…じゃあこのネックレスと指輪…母さんの…」
リオは箱の中にある2つのアクセサリーを見てそう呟く。
「少なくてもあの父親はお前の母親を愛していたようだな」
「だね…」
持っていた写真を封筒にしまうと箱の中に入れ、箱の蓋を閉める。
「戻ろう。まだまだやる事たくさんあるから」
「あぁ」
リオは箱を持ったままローと主寝室を出た。