第14章 血縁者としてのけじめ
「さて…アンタに聞きたい事があるのよ…リリア」
リオはそう言うとリリアの口元にあった水の玉を消す。
「私が崖から落とされた日…アンタは私に殴られたと話した?答えなさい」
「なんでそんなこと…言わなきゃいけないのよ…」
「これは質問じゃない…命令よ」
リオは父に向かって手をかざし、軽く握る。
すると父は胸を押さえ、苦しみだす。
「お父様!!」
「言ったでしょ?“あらゆる水分を操れる”って。人間って血液の操作で簡単に殺せるの。例えばこうやって心臓の血液を操ると…ほら、苦しんでる…早くしないとだーいすきなお
父様死んじゃうよ?」
クスクス笑いながら苦しむ父を見るリオ。
ローは王が実の娘であるリオを崖から突き落としたと聞いて既に戦意喪失している兵士達を念のため警戒しつつリオの行動を見る。
普段クルーの為に栄養バランス等を考えてニコニコしながら料理をしているリオからは想像できない冷酷な姿。
今彼女は笑いながら実の父の心臓の血液を操作している。
「ほら…出来るでしょう?それとも言葉を話せない?あ、血が繋がっていないお父様の命なんてどうでもいいとか?」
「っ…!い、言ったわ!!アンタが崖から落とされる前の日…お父様にアンタに叩かれたって!!」
「ふーん…やっぱりね…」
リオは握っていた手を緩め、父の心臓の血液操作をやめる。
父は血が通ったことで咳込んでいる。