第14章 血縁者としてのけじめ
「アンタのしょうもない嘘で私は崖から落とされたのね…あーしょうもない…私の命ってその程度だったのね」
リオはそう言うとリリアの頬を殴り、先ほどまで咳込んでいた父を蹴り上げる。
「お前は母さんの約束を忘れてこのざま…ははっ、呆れて笑うしかないわ。」
あの時の恨みを晴らすかのようにリオは父と妹を殴り、蹴り続ける。
しばらくして離れた場所で拘束していた王妃が目に入る。
「あぁ…忘れてた…お前にもやられた分返さないと…」
未だアクアフィアートをかけたまま拘束されている王妃は涙を流しながら何かを叫んでいるが水の玉のせいで何も分からない。
リオはニヤリと笑うと王妃へと歩いて行こうとするが…
「リオ、もうやめろ」
後ろからローに抱きしめられ、止められる。
「ロー…」
「もう十分だ。泣くな」
「え…?」
リオが自分の顔に手を触れると涙の跡があった。
私はいつから泣いていたんだろう。
「お前はレイチェルじゃねぇ、リオだ。縛られる必要はねぇ…」
ローはリオを自分と向かい合うようにすると抱きしめる。
「でも…私が…」
「さっき言っただろ、もっと俺に甘えろ」
ギュッと強めに抱きしめられ、リオの瞳からどんどん涙が溢れる。
「ろぉ…ふぇ…わぁああ…!」
リオはローの服を握り、大声をあげて涙を流した。