第14章 血縁者としてのけじめ
リオの背後で兵士たちの悲鳴に近い声が聞こえているがリオは気にせず目の前にいる人物たちを見る。
自分とは真逆、金髪と青の色を持つ人達。
「レイチェル…貴様親に楯突く気か?!」
「実の娘である私を崖から突き落としておいて今更親を名乗らないでくれる?」
リオの言葉にローがまだ倒していない後ろの兵士からどよめきが上がっているがリオは気にせず手をかざす。
「ポイス…アクアフィアート」
リオは水の玉を数個発生させると王妃と妹の手を拘束し口を塞ぎ、話せないようにする。
「うるさそうなのは黙ったし…血の繋がった親子同士で話しましょうか」
リオはニコリと笑うと父の頬を殴る。
「ぐぁ…!」
「とりあえずあの時の一発、返しておくわ。質問があるならお答えします」
ニコニコと笑いながらそう話すリオ。
父は拳を握るとリオに向かって振り落とそうとするが
「無駄な事に時間割きたくないの」
リオの冷たい言葉の後、父が振り落とそうとした拳を片手で受け止める。
その瞬間、父の拳からは鮮血が舞った。
「がぁぁああ!!」
父は血が流れる手を押さえながら叫び声をあげる。
「私はミズミズの実を食べた水人間。その身を水に変化させあらゆる水分を操れる…知ってる?水は時に刃物になるのよ」
リオはそう説明するともう一度ニコリと笑う。
「もう面倒だから話すわね。私は世界一の情報屋、そして海賊よ。海に落とされた後、運よく助かった私は師匠に拾われ、アンタらの元には戻らないで情報屋になる道を選んだ。どうせ戻ったって殺されていただろうしね…」
手の痛みで何も話さない父。それを冷たい眼差しで見つめるリオ。