第14章 血縁者としてのけじめ
中に入ってからも兵士が襲ってきてその度にリオとローが蹴散らしていく。
「数だけだな。闘い慣れてねぇ」
「能力を使わなくてもいけそうね…」
悪魔の実の能力を使用せず、リオ達は王宮の中へと入った。
「記憶が正しければ…確か3階の奥だったような…」
おそらく全員が王座の間にいるはず。
リオとローがその方向へ進もうとした時
「レイチェル様!」
背後で聞こえた自身の名前にリオが降り返ると一人の女性が立っていた。
「貴方は…あ、確か私のお世話係の…」
それは6歳の時、あの部屋で過ごしている自分の身の回りを世話してくれた女中。
16年の月日で老けてはいたが見間違える事は無かった。
「レイチェル様…ご立派になられて…!」
「ありがとう。でも私海賊なの」
「関係ありません!貴方が死んだと聞いて…私は…」
「……うん。ごめんなさい、今はケジメをつけてくる。終わった後に話しましょ」
リオは女中にそう言うとローと王座の間に向かっていく。
女中はその背中を見送った。
女中と別れた後、2人は王宮内の兵士も倒し3階奥にある王座の間の前に立っていた。
「入るよロー」
「あぁ」
王座の間の扉を開け、2人が入った瞬間
「撃て!!」
何十発も銃声が飛び交う。
リオはすぐにローに水鏡を張り、自身は銃弾を受けるがミズミズの実の能力のおかげで銃弾はリオの身体を貫通、水力で速度も落とされ地面にぱらぱらと落ちる。
水鏡で防いだ銃弾もリオが能力で地面に落としていく。
「随分な歓迎ね。一応血の繋がった人間に対してとは思えない」
クスクス笑うリオは奥で兵士に守られている自身の家族を見る。
「悪魔の実の能力か…!」
「ご名答。とりあえずそこの兵士にどいてもらいましょうか」
リオがそう言うと後ろにいたローが手をかざす。
「ROOM」
その一言で王座の間全体に円が発生する。
「シャンブルズ」
その瞬間、王達の前にいた兵士達とリオの位置が変わる。
「お前たちの相手は…俺だ」
「さぁ…私とお話しましょうか」