第14章 血縁者としてのけじめ
次の日、リオとローは王宮へ続く道を歩いていた。
リオの作戦はこうだ。
まず自分を潰そうと兵力を町や港に持ってくる可能性を考え、2人以外のクルー達を2つに分けてそれぞれ配置。
町の人を守りつつ兵士を倒すよう指示。
王宮へは最低人数での襲撃にし、血縁者であるリオと戦闘力が一番高い船長であるローが向かう事になった。
途中で兵士が王宮に留まっていたり襲ってきても2人であれば倒せると踏んでの人選であった。
「とりあえず兵士は来ないな」
「王宮に留まっているパターンね。まぁその方が楽なんだけど」
リオとローが話しながら歩くと王宮の入り口が見えてきて、その前に数十人の兵士が守っているのが見えた。
「貴様ら…王が言っていた賊だな!ここは我らが通さない!」
「んー…ここは私がやるかな。ローは体力温存しといて」
「あぁ」
リオは懐からとある物を出し、手をかざす。
「ポイス」
すると兵士の前に一つの水の玉が浮かぶ。
「な、なんだこれは…水?」
「ただの水よ」
リオは懐から出したものをその水の玉の中へ投げ入れる。
「水の中に金属ナトリウムを入れると…どうなるでしょうか」
リオはそう言うのと同時に水の玉が爆発し、城門にいた兵士は爆風で吹っ飛んでいく。
爆風の調整等を行っていたので2人には爆発の影響はなにも受けない。
「正解は爆発する、でした」
「使いこなしてるな」
2年前は自爆に使用していた技。
頂上戦争の時にも使用していたが、この2年でリオなりに威力が強いこの技を研究していたのだ。
「2年間クレインの修業の中で研究もしてたからね。さぁ行こう」
リオは水鏡を解除し城門の中へと入り、王宮建物までの道を進んでいく。