第13章 明かされる過去
女性も話が終わるまで黙って話を聞く。
子供が全て話し終わった時、女性は大きなため息をつく。
「いやぁ…島は綺麗なのに王はクソだねぇ」
「……私、もういらない子なんだ」
子供が寂し気に呟く姿に女性もしばらく考えるがすぐにある事を思いつく。
「じゃあ私と来る?」
「お姉さんと?」
「私、世界各地を旅している情報屋なの。もしよかったら私の弟子にならない?そしたら明日の朝には島を出るけど…」
女性の言葉に子供はしばらく考えるが、今戻っても自分の居場所は無い。
自分を殺そうとした家族の元より今助けてくれた見ず知らずで自分と同じ髪色の女性について行った方がマシ。
「行く…お姉さんと…」
「ん。じゃあアンタの名前教えて」
「名前…」
記憶にほとんど残っていない母がつけてくれたレイチェルという名前。
でも、ここしばらくその名前を呼ばれていない。
「……お姉さんが付けて。ここの私は今日死んだから」
「え?あー…じゃあ…リオ。どう?」
「それでいい」
「よし、じゃあリオ。私は世間でシルバークロウって呼ばれているから…師匠って呼びな」
「自分で言うんだ…でもいいよ。よろしくね師匠」
これが子供…リオと女性、先代のシルバークロウとの出会い。