第2章 銀色のカラス
「王下七武海の情報、詳しく持ってない?」
『詳しくって…俺は海軍専門だぞ、王下七武海は海賊だから詳しくない』
「うーん…」
『王下七武海ならアウルだろ、お前の次に詳しいのは』
ラークという男から出てきた新たな鳥の名前。
彼女はその名前を聞くと顔をしかめる。
「アウルか…ちょい待って」
彼女は視線をロー達に戻す。
「王下七武海情報に特化した奴がいるんだけど、そいつから買ってみる?」
「……お前より安いなら何でもいい」
「ん。ラーク、番号知ってる?」
『スパロー以外なら知ってる。一人50だ』
「じゃあスワロー、クレイン、アウルの3人分で150ね、次会った時に即金で払うわ」
彼女はそう言うと懐からメモ帳を取り出して子電伝虫から聞こえる番号を次々メモする。
『用が済んだら切るぞ』
「了解、じゃあね」
彼女は子電伝虫を切ると間髪入れずにメモした番号を入力し電話をかける。
『ぷるぷるぷる…ぷるぷるぷる…ガチャ』
「……アウルね。シルバークロウよ」
『ほう…。俺に一体なんの用だ』
「王下七武海の情報を買いたい海賊が来てる。あんたのとこに回したいのよ」
『ははっ!貧乏にはシルバークロウの情報は高ぇからな。良いぜ』
「じゃあ…」
彼女はハートの海賊団がアウルと落ち合う島、場所等を的確に決めていく。
「じゃあ着き次第合流してよね。切るわよ」
『つれねぇな、もう少し話しようぜ』
「私は話す用はないわ。じゃあね」
アウルの返答も聞かず、彼女は子電伝虫を切った。