第13章 明かされる過去
リオは風が強く吹く場所に立たされた。
顔を覆う布のせいで状況が全く把握できなかったのだが、王の指示でリオにつけられていた布と手を縛っていたものが取られる。
光で目がくらんだリオだったが徐々に見えた光景に目を疑った。
そこは島で一番高い崖の上で下には海が広がっていた。
「な、何を…」
「仕置きと言っただろう。お前をここから落とす」
「!?」
仕置きのレベルを明らかに超えていた。
「ここから落ちたら…私…」
「死んだらそれまでだ。それがお前の寿命だ」
「お父様…!!」
リオは振り返り、父の後ろにいる側近の人たちを見る。
即金の人たちはほぼ全員が眉をひそめ、拳を握りしめている。
逆らえば次は自分の番。まるでそれにおびえているような…
それを見たリオは自分が逃げられない事を悟った。
今逃げればこの人たちが落とされてしまう。
そう思った瞬間、父に身体を海に向かって蹴られた。
「お、父様…」
父に手を伸ばしたが
「父と呼ぶな。気色悪い銀髪が…」
父の声が聞こえ、リオはそのまま落ちていった。