第13章 明かされる過去
16年前。リオ6歳の頃。
リオは王宮の一番高い場所にある部屋に軟禁されていた。
半年前より自分たちの前に現れるなと部屋に閉じ込められ、気が向いた時に王妃と妹からこの部屋で殴られ蹴られていた。
おかげでリオの身体には生傷が絶えないばかりか表立った治療もできず、身の回りの世話をする女中が隠れて薬の塗る治療するという状態だった。
実の父である王はリオに無関心で全く関わろうとしない。
そんなリオは毎日を女中が持ってくるたくさんの本を読み、毎日を過ごしていた。
「……小鳥さんこんにちは」
唯一外を見ることが出来る窓辺に小さな鳥が止まり、チチチ…と鳴く。
女中以外の人間と会わず、家族には暴力を振るわれていた彼女の目からは生気が無くなっていた。
リオは読んでいた本を置いて窓辺へ歩いて行った時、部屋のドアが開けられた。
ドアの方を見ると王妃と妹が立っており、歪んだ笑顔でリオを見ていた。
2人がリオに近づくと王妃が持っていたムチでリオの頬を殴った。
殴られた衝撃でリオはその場にしりもちをつく。
「最近イラつく事があったのよ…ほんとイライラするわ」
バシッ!バシッ!とムチで殴られ、リオの白い肌に赤い跡を残していく。
「お母さま!私も良い?」
「えぇ、好きにしなさい」
王妃のムチでの仕打ちに妹からは身体を蹴られる。
数え切れないぐらい行われてきたこの行為にリオも何も感じなくなり、ただ終わるのをひたすら待つ日々。
しばらく耐えていると終わったのか2人が部屋から出ていく音がした。
「……」
リオは無言で起き上がり、叩かれた腕を見る。
ムチで叩かれた場所は赤く、ミミズ腫れになっている。
こんな日々がいつまで続くのか。
「本読もう」
そんなリオはいつかこの部屋を出た時の為に本を読む。
情報があれば
知識があれば
この世界を生きていける。
その一心でリオは本を読み進めるのであった。