第13章 明かされる過去
22年前。
シャインアイランドは輝く島と呼ばれ、輝く源と思われる鉱石の産地として有名だった。
その島に1人の新たな命が誕生した。
王宮、主寝室。
ベッドで枕に背を預ける体勢で身体を起こしていた女性が腕の中にいる赤子を見ていた。
女性の銀色を持ち、赤い目をして腕に抱く子も髪、瞳共に女性と同じ色をしていた。
「ルーチェ、具合はどうだ」
寝室に入ってきた男の声にルーチェは視線を男に移す。
「良好よ。見て…とっても可愛いわ…」
ルーチェは男に赤ん坊を見せ、男は赤ん坊を見て微笑む。
「君にとてもよく似ているよ」
男はこの島の王であり、ルーチェは王妃であった。
「ふふふ…この子の名前ね、レイチェルはどう?」
「ぴったりだ、よろしくな…レイチェル」
「本来この島の王宮には金髪青目の者しか輿入れ出来ないんだけど、島一番の美人であるその人を王は妻にしたの。その妻が私の母よ」
「つまりお前は…」
「そ。一応ここの王女、でもそんな母は私が2歳の時に病気で死んだの…」
リオが2歳の時、最愛の母が突然の病でこの世を去った。
王も最愛の妻を失い悲しみに暮れていた。
最期まで娘を心配していた母は父である王に立派に育ててと願った。
王も涙ながらにそれを誓った。
しかし、全てが狂ったのはリオが3歳になる前。
王に新しい妻が出来てその妻は金髪青目。しかも金髪青目を持つ2歳になる連れ子もいたのだ。
なぜそのような者を迎えたかは不明だが、そこから王は変わってしまった。
新しい妻はリオの事が疎ましく見えないところで暴言や暴力を浴びせていた。
そして王自身も最初の妻の忘れ形見でもあった銀髪の娘を邪険に扱うようになった。
そんな親を見て育った連れ子もリオに辛く当たるようになり、家族の中にリオの味方はいなくなった。