第19章 嵐、代表?(A)
で
「遅いですねぇ」
「そうだなぁ」
遥ちゃんがなかなか戻ってこないから、様子見に行ったら、看護師さんと何か真面目な顔で話し込んでて。ちょっと声かけづらいから戻ろうかなって思ったら、向こうが気づいて、花が咲いたような笑顔で駆け寄ってきてくれた。なんか、ちょっと嬉しいぞ。ちょっとキュンとしちゃうな、このシチュエーション。…彼氏でも何でもないのに(笑)。
「花瓶借りられた?」
「はい。これ。あ、そうだ。相葉さん」
「うん?」
急にちょっとしおれちゃったからナニゴトかって思ったら、例の。夜の仕事のこと、お父さんには内緒にしててって。話してないらしい。そりゃそうだよ。あの親父さんにそんなのバレたらえらいこっちゃでしょ!
「元気そうに見えるけど、血圧が上がると本当に危ないって…。だから…」
「うんうん、もちろんもちろん。言わない言わない」
「ありがとうございます」
少しだけ陰りのある微笑も見惚れたけど、その前の。内緒にしててポーズ?人差し指スッと唇に押し当てて、ちょっと俺のこと覗き見るように見上げて…。
それ、ちょっとヤバかったね。キュンどころかドキッ!てしたわ。
でも…。リーダー、やっぱ趣味が違うせいかな?俺、めちゃくちゃ唇見ちゃったもん。人差し指の方じゃなくて、少し押しつぶされたムニュッと柔らかそうな唇の方を、ついガン見…。
ヤバイ。欲求不満か?ドラマ終わったし、ちょっと…運動でもするかなっ。走ろっ。いろいろ…溜まってるからっ!