第9章 Calendula
俺は今、嫁さんと広い畑で様々な花を栽培している。
海兵時代の俺を知ってる奴が俺が花を育てている所を見たら似合わないと言うかもしれない。
でも闘いから離れた今は嫁さんの次に花は可愛い存在かもしれない。
栽培してるということなので当然販売もしてるのだが...
「出店?」
俺はいつも紅茶を仕入れてくれる店のおやじの言葉にそう聞き返す。
「前に隣の島の祭行ったろ?俺の知り合いがここに来た時に2人の紅茶飲んだら是非って」
「あー...あの祭か...」
数年前に彼女と行った花の祭り。
花が大好きな彼女を連れて行ったのだが、ちょっと辛い事もありそれ以降は行っていない。
あの祭りで出会ったばあさんとは向こうが店を畳むまで交流していたが...
「切花と紅茶、あとお菓子とか売ったらいいと思うけどなぁ。島1番のオススメだし」
「まぁ...彼女に聞いてみてだが...」
「あ、でも1個だけ条件出されてさ...俺は抵抗したんだけどよー...実は...」
「隣の島の祭に出店?」
夜、食後のティータイムの時に昼間の話をする。
「あぁ、あの祭りで店側をやらないかって話なんだが...」
「面白そう!是非...「目が見えないリオを参加させないのが条件なんだ」
俺の言葉を聞いて彼女は言葉に詰まってしまう。
「前に行ったから状況わかると思うが、祭の間は人が多くて何かあったら困るそうだ...」
「あー...なるほど...じゃあロシー1人でって事?」
「俺と話を持ちかけてきた店のおやじの2人だ。もし嫌なら断る」