第8章 sunflower
~おまけ(後日)~
「あれ、それ新しい髪飾りかい?」
私が定期健診でレイモンドさんの元に訪ねた時に先日彼からもらったバレッタについて聞かれた。
貰ったバレッタは次の日からほぼ毎日付けている。
「この前隣の島に行った時にロシーがくれたんです。」
「へぇ、とっても似合うよ」
「ふふふ…あ、レイモンドさん。ひまわりとキキョウの花言葉知ってます?」
「花言葉?ちょっと待ってて」
レイモンドさんはそう言うと立ち上がり歩いて行く。
多分、花言葉を探してくれる時に見ている本を取りに行っているのだろう。
しばらく待っているとおまたせとレイモンドさんが戻ってきてくれた。
「まずはひまわり…ひまわり…あ」
「ありました?」
「うん、でも先にキキョウも調べるね」
本をめくる音だけが部屋に響く。
何か良くない花言葉だったんだろうか…
しばらくドキドキしながら待っているとレイモンドさんが本を閉じたのかパンッと音がした。
「うん、調べたよ」
「ど、どうでした…」
「うん…いやぁ…お熱いね君達…」
「?」
「ひまわりがあなただけを見つめる」
「え…」
「キキョウは永遠の愛だよ」
「!!??」
教えてもらった花言葉に私の顔が熱くなるのがわかる。
彼は本当に知らなかったのか。
知っていたとしたらとんだ策士だ。
その日の夜、ちょっとした仕返しでロシナンテの紅茶をちょっとだけ熱くしたリオであった。