第8章 sunflower
「隣の島で祭り?」
俺は島の奴らから聞いた話にそう聞き返す。
「あぁ、花に関する祭りとかで…花の苗とか種とか売るらしいぜ」
「花か…」
俺の脳裏には花をこよなく愛している嫁さんの顔が浮かんだ。
きっと連れて行けば喜ぶだろうな…
「隣の島に行く船はいつ出るんだ?」
「明日出るはずだぜ。リオ喜びそうだし、連れて行きな」
どうやら島の奴らにはお見通しのようだ。
「お祭り?」
その夜、食事を終え二人でティータイムを楽しんでいる時に島の奴らから聞いた祭りについて彼女に話した。
「あぁ、花の祭りらしい」
「花の祭り…!」
その一言で彼女の目が輝く。
普段この島で過ごしているからたまには出かけるのも悪くない。
それが大好きな花関係であればなおさらだ。
「じゃあ明日、港から船が出るから一緒に行こう」
「うん!何着ようかな…」
楽しそうな笑顔でそう呟く彼女。
そんな様子を見ながら俺は紅茶を飲むのであった。