第5章 Chinese cabbage
「うーん…ちょっと甘くないか?」
どうやら彼も飲んだようだ。彼からしたら納得いかない味かもしれないけど…
「美味しいよ。世界で一番美味しい」
私にとっては世界で一番の魔法の飲み物。
私はあっという間に飲んでしまった。
「ついでに飯も食うか?お粥があるんだ」
「うん、食べる」
早速魔法が効いたようだ。
あんなに食欲無かったのにあのジンジャーレモンティーのおかげで食欲が出てきた。
これならすぐに治る。
ありがとうロシー。
私は彼が用意してくれたお粥を食べて薬を飲んで再び眠りについた。
次の日
私は目を覚まし、自分の額に手を持っていく。
多少熱は感じるが昨日よりは確実に良くなっている。
これなら家事もできるだろうと起きようとすると
「どこに行くんだ?」
彼の腕が私の身体に巻き付き、身体が再びベッドに沈む。
「いや体調良いからご飯でも…」
「まだ熱い。今日も休んでた方がいい」
「えぇ…」
正直体調が良いのであれば溜まっている家事をやりたい。
でもそんな私の考えは彼にはお見通しだったみたいで
「今日もジンジャーレモンティー作ってやるから、寝てろ」
そんなこと言われたら甘えてしまうではないか。
彼が掛けてくれる私が元気になる魔法。
「じゃあ、お願いします」
今日も彼の甘いジンジャーレモンティーを飲む。
そして元気になったら彼の大好物をたくさん作るんだ。
そう決めて私は再び目を閉じた。