第4章 Tree dahlia※
「はぁぁ...」
彼女が家で家事をやっている中、俺は外で煙草を吸っていた。
ここしばらく彼女に触れていない。
いや、触れられるのだがそれと同時にある感情が芽生える。
彼女を抱きたい、所詮は男の本能。
出会った時16歳の彼女も今では21歳...俺よりは年下でも立派な女性だ。
いくら大人の女性と言えど彼女は俺が初めての男だ。
初恋も
告白も
恋人も
全ての初めてが自分。
それがとても嬉しく思うのだが、慎重にもなる。
彼女は目が見えない。
つまり、視覚から情報が得られない。
彼女とは肌を重ねるなら避けては通れない道と言えど全く見えない状態での行為は恐怖心を芽生えさせないか。
彼女を傷つけたくない。
でも彼女に触れたい
愛し合いたい
その感情が渦巻いてしまい、自然と離れてしまう。
今夜も彼女への愛情と男の本能が渦巻く黒い感情と戦う。
そう考えると自然と大きなため息が出てしまった。