第9章 宝物殿
窓口にいる男性が、じっと信玄様の顔を見ている。
……
男性も見惚れる程の、美男なのかな……?
なんて、思っていたんどけど……
違う!ここは信玄様の子孫がいる場所だから、もしかして、子孫の誰かと間違えて……
思わず信玄様の方を振り向くと、信玄様もその視線に気付いているみたいで、、、
だけど、信玄様は余裕の感じで……
ニコッと微笑んだ。
するとその男性は、あっ!と言うような顔をして、すぐに笑顔になり
「大人3人ですね。900円です」
と、チケットを渡してくれた。
そして3人で建物の中に入ったんだけど……
「あまりここで、顔を晒さない方が良さそうだな」
「そのようですね」
信玄様と佐助君が、話している。
そして、佐助君が私の方を見て
「まだ過去は変わっていない。きっと俺達が戻った後に、少し変わってくるだろう……」
「あ……そうか、私はまだ、過去に存在していないから……」
「たぶん、だからきょうこさんの顔を見ても、何も思われなかったんだと思うよ」
「俺の子孫か……会ってみたい気もするがなー……話が、ややこしくなりそうだからな」
ニヤリと笑う信玄様。
私達は宝物殿で、何を残しておかないといけないかを、さっとチェックだけして、すぐにその場を後にした。
そして、また少し甲府の街を散策してから、京都の借りている部屋に戻った。
その翌朝、先日、撮影したアルバムが私達の手元に届いた。