第9章 宝物殿
高級旅館の朝食はこれまた豪華で……
さすがに、連日食べ過ぎなのと、基本的に朝餉は質素な戦国時代、信玄様も少し控えめだったな。
それでも、しっかりと腹ごしらえをして、チェックアウトを済まし
向かった先は……
信玄様のお城、躑躅ケ崎館!!!
の、跡地にやって来た!ん、、、
だけど……
「なんだか変な気分です……」
「どうした?きょうこ」
「私、まだ見たことも、住んだこともないのに……既に跡地になっているなんて……」
「ははっ!確かにそうだな!」
……やっと、笑ってくれた。
そうなの。この近くに来てから、信玄様はずっと難しい顔をしていて……
佐助君は戦国時代に訪れた事があるのか、二人でずっと
「これは、あった」
「これは、なくなったのか、、、」
なんて言っていて
横顔を覗きこんだら、
信玄様がこちらに来て、初めて見せた
切なそうな顔をしていて……
私の胸が締め付けられる様な気がした……