第7章 甲府
「……きょうこさん、大丈夫?」
「あ、あ……うん!大丈夫!あっ!おはよう佐助君」
……
さすがに連日寝不足は辛い。
おまけに、腰もだるい……
いや、ね。そんなワガママ言っちゃダメなのはわかってるんだけど……
信玄様が元気過ぎて……
辛い……
「きょうこ、荷物はこれだけかい?」
「あ!はい!すいません、ありがとうございます」
信玄様が私のカバンを持って、ドアの外にやって来た。
「おはよう、佐助」
「おはようございます」
うーん、信玄様はさすがに爽やかだな……
「さ、じゃあ行こうか」
「はい。とりあえず先に電車に乗ります」
「一度乗ってみたいと思っていたんだよ」
「あの……どこに行くんですか?」
そういえば、聞いてなかったな……
「あぁ、甲斐の国にな」
「信玄様の……」
「今は、山梨県の甲府になっているけどね。先に新幹線に乗って名古屋まで行こう」
「なごや……」
ぼそっと呟く信玄様。
「そうですね、色々、跡地も通ることになります。今日はのんびり旅をしましょう」
「あぁ、そうだな。佐助、よろしく頼むよ」
「はい」