第3章 買物
佐助君は、本のある部分を指して信玄様に見せる。
「な、なっ!?誰だこいつは!?どうして俺が男に恋文を書いた事になっているんだ!?」
珍しく焦っている信玄様。どうしたのかと私も覗くと
それは小さなコラムのような記事で、『信玄は男色家でもあり、恋文が残っている』と小さな文字で書いてあった!!!
「俺は男に興味はない!」
断言する信玄様!
だよねー根っからの女好きと言うか……女ったらしだもんね……信玄様……思わず、苦笑いしてしまう。
「すまないが、これだけは変えさせて貰うよ。それに俺には、今もこれからも、きょうこだけだ」
真剣な顔で言う信玄様に、やっぱり私の顔は赤いままで……
「まぁ、それは信玄様の名誉に関わりますからね」
なんて佐助君も笑ってる。
そしてそのあと、少しずつだけど……
佐助君が本を開いて、今いる現代に繋がるためには重要な歴史を伝えて行く……
信玄様は「そうか……」と、ずっと難しい顔をして聞いている。
いい話ばかりじゃない。
信玄様にとって、気分の悪い話も多くある。
だけど信玄様は
「解った。また、じっくり読んで俺も考えるよ」
と……
そのあと病院に戻ると、信玄様は歴史の本と、文字を習う本、そして佐助君から預かったタブレットをなんとか使いこなし……言葉の意味を調べながら、歴史の本を読み耽っていた……