• テキストサイズ

~貴方とずっと~ 私的【イケメン戦国】

第1章 現代


「きょうこさん、きょうこさんっ!」



はっ!として、顔を上げた……


ここは……




「現代…………?」



「あぁ、たぶん間違いないだろう……少し待っていてくれ」


そう言い残すと、佐助君は忍者装束のまま、街を歩いている人に声をかけた。


「すいません、今……何時ですか?」


うん。時間ぐらいしか聞けないよね……この格好だけでも変に思われ……


「その服はレンタルですか!?」

「あ、あぁ。これは自前で……」

「そうですか~本格的ですもんね~」

はい。本物ですよー
って、観光客なのかな……


「写真いいですかー?」

「あ、どうぞ……」

眼鏡をクイッと上げて、佐助君がポーズをとっている……



なんだかその呑気な風景を見ただけで、

あぁ……本当に現代に帰ってきたんだな、なんて実感した。


撮影の終わった佐助君が、頭を少し掻きながら……

「すまない、日にちまで確かめる事ができなかった」

「この格好だけでも、恥ずかしいけど……ちょっと聞きにくいよね……あ、そこの喫茶店に入ったら、新聞とかあるかもよ!」

「ナイスだ。きょうこさん。行こう!」


「お金……手持ちが少ないけど……」

「大丈夫、色々と用意してある。とりあえず食事代ぐらいなら俺も持ってる」

「良かった」

「腹が減っては戦は出来ぬ!だ、とりあえず腹ごしらえと行こう」

「うん!戦……みたいな物だよね!」

「もちろんだ、戦よりも大変になるかもしれない」

真面目な顔の佐助君。

「そうだね……」

残してきた信玄様の顔を思い出すと心苦しい。だけど……

「作戦会議も兼ねて、行こう」

「うん」


私達は戦国時代の服装のまま、近くの喫茶店に入った。




/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp