第2章 病院
「そうかーこれがこの時代の下帯かー」
なんて嬉しそうに見つめている。そして
「きょうこのこの愛らしい着物の下は……どうなっているのかな?」
「そ、それはまた後でっ!!!先に湯を溜めてきますっっっ!!!」
「そうかー後の楽しみが出来たなー」
なんて、やっぱり余裕の信玄様。
いつでもどこでも、信玄様は信玄様なんだな。嬉しくてでも、恥ずかしくて……
お風呂に行くと、実家のお風呂よりもやっぱり大きくて立派な浴槽にお湯を溜める。
そして私は大きな息を吐いた。
一度目は戦国時代の戦場で……
二度目は現代の病室……
まぁ、ふかふかのベッドがあるだけ、マシかな……
って、するの!?ほんとに!?信玄様、大丈夫なのっ!?
さっきまで、顔色だって真っ青だったんだよ!?
ここは私が信玄様の身体を労って、きっぱりと断る方が大人の女として、いいんじゃないのっ!?
そうだ!ちゃんと窘めよう!!!
バスルームから勢いよく飛び出すと
「きょうこ、待ったは無しだよ」
両手を広げてドアの前で待っていた信玄様に抱きしめられた……
「あの……私の考え……」
「きょうこの考えは、すぐに読めるなー」
ニコニコとして話す信玄様。
「俺の身体の事なら心配ない。もう観念しなさい」
「……はい」
「いい子だ……」
そしてまた、甘い口付けが降ってきて、
甘い甘い時間がやって来る。
その後は二人、抱きしめあって、愛し合って……
クイーンサイズのベッドで離れることなく、
私は現代に帰ってきて初めて……安心して……
ゆっくりと眠る事が出来た…………