第14章 ~おまけ話~ 甲斐の国
信玄様と私が戦国時代に戻ってきて、何度も何度も皆で話し合い、歴史を変えないよう……
すぐに実行できる事もあれば、数年かけてしなければいけない事、
それを成す為に、安土に居た武将達も皆、其々の国に帰り奮闘していた。
そんな、ある春の日……
「きょうこ、腹の稚児はどうだ」
「はい!おかげさまで、順調ですよ」
私は躑躅ケ崎館の自室の縁側で、信長様と一緒に金平糖を食べている。
「しかし、皆遅い……」
「お前が暇人なんだろう?」
「信玄様っ!」
「いや、本当の事だきょうこ!はははっ!!!」
「だ、そうだ。そんな怖い顔をしないでくれよ」
「もうっ!」
でも……ほんと、皆、ばらばらになった。
だけど今日は久しぶりに、皆で集まることになっている。
「もう一人、暇人が来たようだ」
「信長様、ご無沙汰しております」
「明智……この城の主に挨拶が先じゃないのか?」
「あぁ、そうだな。邪魔するぞ」
「……」
「……」
うーーーん……この2人もまた、相性が悪いんだよね……
「光秀さん、ご無沙汰しています。お元気でしたか?」
「あぁ。きょうこ……どうした?偉く肥えたようだが……」
「稚児がいるんですよっ!!!」
「わかっているわ……くっくっくっ……」
……しまった。
いつもの、からかってただけのやつだ……