第13章 再会 ~本編完結~
妻がとうとう、声を上げて泣き出した。
そうだ、私と息子もだ。
あぁ、あれがやはり最後だったのだ、と。
武田家の皆さんは、黙って私達の様子を見ておられた。
お嬢さんに至っては、変わらず妻の背中を擦ってくれていたようだ。
ひとしきり泣いたあと、私は
「取り乱して……申し訳ない……」
頭を下げたが、当主は
「とんでもない。私達は、これが事実だったと確信出来て良かったです。
それに、新しい親戚もできました」
と、やはり男でも惚れ惚れするような笑顔で返してくれた。
すると当主の息子さんは
「ずっと不思議だったんです。これらを見つけてから……戦国時代に絶対にあるはずの無い物ばかりが出てきたので……」
一旦言葉を切ったが、また続けて言った。
「だけどこれがきっかけで、大学で……いわゆるタイムスリップについて研究しているんです」
大学で研究……
その言葉に私達が反応すると、
「実は3年前……
佐助さんから全てのデータを引き継いでいます。『ワームホール』と言う物が開くと時空を移動出来ると……」
「え!?佐助君から!?」
「はい。この写真の方です」
それはウェディングアルバムに写った、神父姿の佐助君で……
「はは……そうか、流石だな佐助君は。きっとこの再会も見越していたんだろう」
思わず笑いながら言うと
「そうですね。彼の優秀さは教授から聞いています」
すると、ずっと黙っていたお嬢さんが
「あの……私……まだ諦めていません」
「え?」