第13章 再会 ~本編完結~
「ただいまっ!!!父さん、帰ってる!?」
ドタドタと大きな足音をたてて、息子が仕事から帰ってきた。
いくつになっても、落ち着きがなくて困る。
「あぁ、おかえり。どうした、そんなに慌てて」
「これ見てくれよ!さっき本屋で見つけたんだ!」
そう言って本屋の袋を押し付ける様に、私に手渡した。
「あー俺 先に、手洗ってくるわー」
またバタバタと走って行く息子に、軽いため息をつくと
私は袋を開け、一冊の本を取り出した。
その本のタイトルは
『新説 武田信玄』
中身をパラパラと捲る。
彼の築いた歴史や戦などは、大きく変わった様子がなかったモノの、人物像や人柄、そして頭脳明晰だった事が大きく取り上げられていた。
そして織田家との繋がりは、以前よりも濃い物になっているようだった、が
それよりも私の目をひいたのは
『側室はいなかった!?』
と、言う小さなコラムだった……