第11章 ヒメ…ヤリタイホウダイ
「んっ…に、のっ…」
突然のキスで苦しかったのか翔ちゃんが俺の肩をぐっと押しやる。
「ふふっ。ごちそうさま♡」
「っ…もぅ!」
顔を真っ赤にさせた翔ちゃんが可愛い笑。
2人で洗い物をしてたらやっと、大野さんが起きてきた。
「…おはよ」
「…ぅん」
大野さんの顔をまともに見れなくてそのまま寝室に逃げ込む。
しばらくするとドアをノックする音。
「どうぞ?」
「…話、していい?」
大野さんが緊張してるのが分かる。
「…いいよ?」
…逃げ出したいけど、このままギクシャクしたままだと嫌だ…。
「…まず、本当、ごめん」
謝罪から始まった…。
「松潤の事…抱いてはいない」
「…え?」
「…松潤の事、気持ちよくしただけ」
「……」
「結果的に、抱いたのと変わんないけど…身体は繋げてない」
「……」
「…それと…別れよ?」
突然の…別れ話。
「…は?」
「一度、皆離れた方がいい」
「…な、んで?」
「…お前の為。ニノの幸せの為」
「…分かった」
「ニノ…」
「…俺の事、嫌いになったんでしょ?!そんな回りくどい事言わないでそう言えばいいじゃん!俺より潤くんが好きだって…言えばいいじゃん!!」
「そうじゃない!!」
「そうでしょ?!潤くんと…そんな事になったから俺の事なんてどうでもよくなったんでしょ?!」
気付いたら大野さんの胸元をポカポカ叩いてる。
大野さんは黙ってされるがまま…。
今まで我慢してたから…やっと、潤くんの事聞けたのに…別れ話??
「もういい!!大野さんなんかっ、大ッキライ!!!」
「…ニノ」
俺と大野さんの言い合いが聞こえたのか翔ちゃんが心配そうにドアを開ける。
「っ…しょ、ちゃんもっ!もぅ!いいっ!皆っ、みんな!俺から離れてくっ!もうっ!ほっといてっ!」
泣きながらベッドを降りようとしたらグッ!っと大野さんから腕を引っ張られる。
「っ…ぃ、たい!はなしてっ!」
「相葉ちゃんに逃げる?」
「ちょっ…さとしくんっ」
「っ…どこにいこうと俺の勝手でしょ?!もう、別れたんだらっ!」
握られた腕を振払おうとするけど…大野さんの力には勝てない…。