第17章 もう一人の男
「リヴァイ、が無理をするのを引止めるために言ったのだろうが。彼女はまだ年若い女性だ。更には他の者とは違い大きく成長が遅れてこの兵団にやってきたのだ。冗談でも言うことではない。」
エルヴィンは医師から提出されたの体調に関する報告書を再度目を通すとリヴァイに手渡す。それはの訓練兵団時代からのもので詳細に健康チェックが行われていた。
「最初、が訓練兵団にいたときはリヴァイ。君の肩よりも低い身長だった。今ではどうだ。君と身長を同じくなるようになった。体の外も内も大きく変化して行く時期だ。それをどう我々が育んでいくかが重要だ。彼女は団員であると同時に女性であることを考えてくれ、もう彼女は訓練兵団時代の少女ではない。」
「分かった、エルヴィン。」
これに対してリヴァイはぐうの音もない。更にペトラは続ける。
「それには今日は3日目なんです。初潮を迎えて時間が経っていませんから体調が安定しないのもあると思うんです。」
「…仕方ねぇな。手加減してやるか。」
戦力に体調の波があるのは正直、リヴァイにとっては痛手であったが。が自分の肩よりも身長が低い時を思い出せば仕方ないかとも思った。
やがて休息から戻ったが団長室にやってきた。
「、入りなさい。」
そう柔らかくエルヴィンが言うとは顔を土で汚れたままの顔で入ってきた。
「、体調が優れないときはペトラか兵長であるリヴァイに遠慮なく言いなさい。君はまだ成長期だからな。あと、医師の診察は継続して受けるように。」
それを聞いたは少し不満げな表情で
「まだ医師の診察を受けなくてはいけませんか?エルヴィン団長。」
「今だからこそだ、。君の体はまだ成長期だからね。補食箋の指示もきちんと守るように。」
「食糧難のこの時勢でおやつをですか?」
「、おやつではない。君にとって補食は治療の一貫であり仕事だ。」
「まだ子どもなんですね、私。」
「それは違う、。そのことは自分自身も知っているだろう。もちろんペトラもだが、リヴァイも知っているし無論私も知っている。」