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【進撃の巨人】兵長と劣等生

第17章 もう一人の男


もう一人の男



ある晴れた日のことだった。エルヴィンは忙しいペンを置き、各班の視察に来ていた。


(各班共に異常なし…と言いたいところだが)


精鋭班であるはずのリヴァイ班の異変にエルヴィンは気づいた。
その日はとリヴァイが連携を組んでいたのだが、半歩常にの動きが遅いのだ。


「おい!遅い!巨人に食われたいのか!」

「くっ。」


それを見守っている地上のリヴァイ班のメンツもハラハラしながら見守っている。


「…はどうしたんだ。」


エルヴィンは最初はリヴァイ班に気づかれぬように見ていたがの状態と班員の顔色の冴えない様子に思わず傍にいたペトラに声をかけた。


「だ‥団長、いらしたのですか?」

「視察だよ。たまには見に来ないとね。それよりもはどうした。」

「ええ、ですか‥ごらんの通りです。リヴァイ兵長の動きと上手く同期できてないんです。」

「何かあったのか?」

「あったと言えばありますというか…ないと言えばないと言いますか。」


ペトラの歯切れの悪さにエルヴィンは声を潜めた。は既に疲れ切っているように見える。


「何があった。」

「…うーん。余りここで話をすることではないので。」


エルヴィンは右手を挙げて訓練を中止させた。


「訓練中止、は休息をとれ。他の者は自主トレをするように。そしてリヴァイとペトラは私の部屋に。は30分の休息後に私の部屋に。」


リヴァイは息一つ切れていないがは近くにあった石に腰掛けると水を一気飲みする。


「何だ、エルヴィン。今は訓練中だ。要件は後にしてくれ。」

「そうはいかないようだ、リヴァイ。」


チラッとエルヴィンがリヴァイに目配せする。


「か、コイツは問題ない。ただ…」

「リヴァイ、その“ただ”が問題なのだろう。続きは部屋で聞こう。」



リヴァイとペトラは何とも言えないような顔をして団長室に引き連れられていった。
そして、事の子細を聞くとエルヴィンは苦い表情でリヴァイに苦言を呈した。
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