第15章 目覚め
執務の合間にの寝顔を見た時に降って湧いたようなエルヴィンにとっては忘れていた青年の頃の若々しい恋心と同時に、ただの一介の兵士に過ぎぬに、市民からは冷徹と言われるエルヴィンにはおおよそ似合わぬ庇護欲が掻き立てられる。
「、そろそろ起きなさい。」
そう言うとエルヴィンはに軽い口づけを落とす。
起きる気配はない。
廊下からは人の気配はないことを確認するとエルヴィンはゴクリと喉を鳴らし今度はに深めのキスをした時である。
「ふっ・・・ん」
「?」
は吐息と共に軽く身じろぎをした。
「!」
再度、大きめの声でに呼びかけた、その時・・・
「エルヴィン団長・・・?」
掠れた声で微かには呟きエルヴィンを見つめた。
「目が覚めたかい?。」
「私・・・」
「君は訓練中に建物から滑落してずっと眠っていたんだ」
は団長であるエルヴィンを前に起きようとしたがエルヴィンは手でそれを制した。
「・・・医師を呼んで来よう。君には診察が必要だ。」
さっきまでとはうって変わり、エルヴィンは団長の顔でそうに言うと部屋を出て医師と看護師を呼んで来た。
診察の結果、脳へのダメージはなく、は出された食事にも喉を詰まらせることなく摂る事が出来た。それを最終確認した医師はホッとした様子で病室を後にした。
「やれやれ・・・今回は私もさすがに肝を冷やしたよ、。」
診察を終え部屋に入ってきたエルヴィンはホッとしたようににいう。