第14章 滑落事故
滑落事故
は訓練中に建物の屋根から滑落事故を起こした。下に植木があったためは直に地面に接触することは避けられたが、その瞬間を見たリヴァイの心臓は凍り付いた。
「早く医療班へ搬送しろ!」
リヴァイ班で訓練中に事故が起こることは久しぶりだった。何時もは冷静なはずのリヴァイが叫ぶ。
「脈あり、自発呼吸あり。意識なし。」
は地面に仰向けになったまま動かない。
「おい!しっかりしろ!」
オルオとグンタが素早く担架を持ってくるとを医療班へと運ぶ。
「、目を開けろ!」
運ぶ途中にもリヴァイはに呼びかけるがピクリとも反応はない。
「チッ!らしくねぇ事故だ。」
顔や体には滑落した際の傷が生々しく血が滲んでいる。これが壁外調査であったら間違いなくは巨人の餌食になっただろう。
その後、訓練は再開されたがリヴァイが訓練に戻ることはなかった。
医療班に搬送されたはすぐに処置室に運ばれ、処置室のドアは重く閉ざされた。
「何てこった。」
医療棟の廊下にはリヴァイ以外誰もいない。リヴァイの耳には時計の秒針の音がやけに
大きく聞こえた。
やがて、搬送後に1時間位経った時である。処置室のドアが開き、はストレッチャーに乗せられたまま病室へと移された。
「の容態はどうなんだ。」
詰め寄るリヴァイを見ると出てきた医師は顔をしかめた。
「骨折はなく外傷も表層的ですが…なにぶん目を覚まさないですね。こればかりは彼女の目が覚めない限り、脳へのダメージは確認できません。最悪、このまま息を引き取る可能性もあります。」
「何とかしてくれ!彼女は重要な戦力だ。」
「最善は尽くします、人は最期の最後まで聴覚が残るといわれます。あとはあなたが彼女が目を覚ますまで声を掛け続けて下さい。」
「分かった」
そう端的に言うとリヴァイはの病室に足を運んだ。
清潔な真っ白なシーツと掛布に包まれては静かに眠り続けていた。
「お前が訓練兵団にいた頃を思い出すな、」