第12章 空いた心の穴
リヴァイは繁華街の裏手にある売春宿に向かった。この火照った体をどうにかしたくて。
この後にと二人きりでまた仕事だ。
(一体どんな拷問だ、畜生)
男の生理は女には理解できないだろう。無論、その逆も然りだが。
リヴァイは適当な女を買い交わった。だが、なぜか心に空いた大きな穴は塞がる気配はない。それに反比例するが如くへの思いが募る。
(一体自分はどうなっているんだ?)
自問自答するが、答えは出ている。だが、それはリヴァイにとっては。ひいてはにとっても残酷なものだった。
(が欲しい)
対人格闘術で触れたの柔らかな胸や腕。丸みを帯びた体。格闘で乱れたの呼吸。
それら全てがリヴァイを侵食する。確かに女と交わっているのに体は満足出来ても心が
満足出来ないのだ。
やがて女を抱き終えたが、彼に過ぎるのは度重なる欲の放出での倦怠感と虚無感だった。
(こんな状態で書類と向かい合うのは無理ってもんだ)
自分でも何をやりたいのかよく分からなくなっていた。
やがて調査兵団の門の前に着いた、そして書類は今日は無理だと団長室に行った時である。
「これは・・・一体どういう事だ。エルヴィン。」
リヴァイが団長室の奥にある寝室をちらりと見た時、エルヴィンのベッドにが寝かされていた。
「か?君ならばどう解釈するかね」
エルヴィンはいつも通り、机に向かって書類に目を通している。
「久々に外に女を買いに出て満足したか?リヴァイ。」
「てめぇ、に何をした?!」
それには答えずエルヴィンは黙々と書類を見続ける。
「私も君と同じ男だ。君と同じ感情を抱いていても不思議はないだろう」
「あ?何が言いたい。」
「それはこちらのセリフだ。リヴァイ。お前にとってとは何だ」
「の同意は得たのか?!」
「同意?彼女は私の部下でもある。君とは違い職務に忠実だ」
「こんのクソ野郎、命令でを抱いたのか?!」
「そうだと言ったらどうする」