第12章 空いた心の穴
今やリヴァイの激昂はエルヴィンを殴りかからん勢いだ。
一方、はと言うと二人のやりとりとは真逆にスウスウと気持ちよさそうに眠っている。
「少なくとも外に女を買いに行く男よりかは私の方が誠実だと思うがな」
「職権濫用しておいてよくぬけぬけと!」
リヴァイの拳がエルヴィンに当たる寸前に、エルヴィンは見事にそれを払い除けた
「・・・お前が悪いんだろう、リヴァイ。は君を待ち続けてこの部屋で眠ってしまったのだ。」
「何・・眠ってしまっただと?」
呆気に取られたリヴァイは振り下ろす拳を下げられずにいた。
「初の壁外調査と訓練の日々と君の事務処理で疲れ切っていたんだ」
「・・・では、お前は何もしてないと?」
「していない。」
リヴァイの全身から力が抜け、ガックリと膝を床についた。