第8章 学力検査
そう言われてはうーんと考え込んでしまった。
「考えたことなかったです。」
「ほぅ!には好きな子がいないのか。珍しいなこの年頃に。」
エルヴィンは興味深いというように笑う。
「ならば私もまだスタートラインに立てそうだな。」
「へっ?」
はエルヴィンの言っていることがよく分からないが何だか気恥ずかしくなってきて
また顔を赤くする。
「おい、リヴァイ。そこにいるんだろう?立ち聞きしていないで入ってきたらどうだ?」
そうエルヴィンがドアに向かっていうとドアが開いてリヴァイが入ってきた。
「チッ、バレたか。それにいい年した親父が、なにガキを口説いてやがる。」
何時もよりもキレの深くなっているリヴァイの瞳がいっそう剣呑さを増している。
そして何よりもがリヴァイより“口説かれている”と言われて慌てふためく。
「えっ、今のって私口説かれてたんですか?」
「はっ!そんなことも分からないようじゃ、まだハンジの言う通りに本当にねんねだな」
「はっはっは、リヴァイ。君にも勝算があると言うことだな。」
「っく!だから俺はこんなガキに欲情するほど腐っちゃいねーつってんだろうが!
このロリコン親父が!」
少し慌てた様子のリヴァイだったが、エルヴィンは余裕の笑みを浮かべている。
「さて、。訓練兵団に戻るぞ。キース教官が俺に愚痴をこぼして来やがったからな。
それに明日は1対1の対人格闘術の試験だろ。また最下位だったら承知しねーからな!」
「ああっ!忘れてたっ。明日試験だどうしよう…」
「何だ、そのことも忘れてたのかっ?お前は!」
「それに…何で私の試験日についてリヴァイ兵長が把握してるんですか?」
「はぁ?それはお前の補習担当教官だからに決まってるだろうが!今までの補習は何のためだと思ってたんだ!」
この日、他の兵士が団長室からリヴァイの悲鳴に似たような声が上がったという証言が多数寄せられたとか…。
リヴァイ兵長は普段は大声を上げることはないが、恐らく彼に大声を上げさせることが出来るのもならではの特権なのかも知れない。