【Harry Potter】 Missing Heart
第21章 好き避け
「私にもさっぱり分からん。」
「へー、セブルスにも分からないことってあるんだね。」
「・・・強いて言えばマグルの薬の名前が出ている。テオフィリン、ベンゾチアゼピン。」
「君の専門分野だね。僕にはさっぱりだ。」
「アシドーシスやアルカローシスと言うのが出ておるから、マグルの医学書だろう。」
「へー、詳しいね。で、アシドーシスって何?」
「強いて言えば血液が酸性に傾く現象だ。機序はお前に説明するのは不可能な内容だ。
マグルの世界の論理で複雑かつ難解だ。」
スネイプはルーピンに説明することをきっぱりと拒否した。
「セブルスが難しいって言うくらいだから難しいんだろうね。で、は理解できてるってことなんだね。」
「そのようだな。前職で使っていたのであろう。」
やがてルーピンはを揺り起こした
「、ここで寝てると風邪引くよ。」
「ほぇっ。ってぇ!」
そこには会いたくない人がいたがルーピンがそばにいたのでショックは和らいだ。
「明日の勉強をしてたと思ってたら、違ったみたいだな。」
そこには何時もの教師然としたスネイプがいた。は少しほっとして苦笑いしつつも
返事をした。
「ええ・・・ちょっとした絵本を読んで気分転換をと。試験の直前まで教科書を読んでいても当日はメモリーロックと言う現象が起きて記憶が引き出しづらくなりますから。」
「ほぅ・・・。これが絵本、とな?」
意地悪くスネイプは笑うと続ける。
「ではにお聞きしよう。アシドーシスの意味をルーピン先生が知りたいそうだ。」
「・・・アシドーシスですか?機序を全て答えるのは大変なので簡単に言うと・・・過呼吸などの要因によって血液中に水素イオンが増えて血液が酸性に傾く現象です。重篤な疾患の指標にもなります。」
はとりあえず、と言うように答える。
「・・・だ、そうだ。ルーピン。意味は分かったかね?」
「全然、少なくとも”血液が酸性に傾く”っていう言葉は君と同じだったね。」
は何時もの様子のスネイプを見て安心して背伸びをして席を立ち上がった。
「では、そろそろ私は失礼しますね。」