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【Harry Potter】 Missing Heart

第20章 瞬間心重ねて




(さて、君たちはどう向き合うの?)


を追いかけてきたスネイプは程なく彼女を見つけることになる。は地面に杖で
文字を書いていた。そこには午前中の筆記試験で出されたであろう魔法薬学の問題と計算式が書かれておりは手計算で計算していた。

自分で起こした行動で乱れた心を複雑な計算をすることによって収束しようとしていた。いわばストレスをストレスで打ち消す方法だ。

に気づかれぬように背後から設問を読み、目で計算をスネイプは追っていた。そして
最終解が出ると初めて口を開いた。


「正解だ、。」


自分の名前を呼ばれてははっと振り返った。一番会いたくて、今一番会いたくない人がそこに立っていた。は戸惑いで声も出ない。


「君はもう一つの解を聞かずに午後の試験に臨むつもりかね?」
その声はどこまでも優しい。


「先ほどのことは聞き流してくださって結構です。答えはいいです。」


傷つきたくないというようには何とか声を出すが
次の瞬間、はスネイプに抱きしめられていた。そして唇に軽くキスをされた。


「これが答えだ。」


ホグワーツの庭は時間が止まったようだ。校内には誰も学生はいない。教職員は皆大広間に集まっている。今ここにいるのはスネイプとだけだ。

次の試験開始まであと30分。

スネイプはを暫く抱きしめていた。自分の心を伝えると共に彼女が少しでも
落ち着けるように、と。

次の実技は魔法薬学と防衛術。
心身の落ち着かない状態で受けるには危険を伴う。

次の試験開始まで15分前となった時、スネイプはを体から離した。


「そろそろ時間だ・・・行きなさい。大丈夫だ、落ち着いて受けたまえ。」
「はい。」


は返事だけをしてスネイプの元を去った。せっかく想いが通じ合ったというのにその体をすぐに離さなければならないとは何と切ないことか。

スネイプも自室に引き上げることにした。
その途中で試験場に向かう防衛術の試験官のルーピンに会った。
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